朝の現場で体を動かして汗をかき、休憩で手を止めたとたんに背中から冷えてくることはありませんか?

こうした汗冷えを防ぎたいときに役立つのが、防寒インナーです。一般的な綿の肌着とは違い、乾きやすい合成繊維を使った商品が多いため、休憩中の背中の冷えを抑えやすくなります。

本記事では、防寒インナーの基礎知識や作業別の選び方、汗冷えを防ぐ着方に加え、ワークランドで購入できるおすすめのインナー6選をご紹介します。

防寒インナーとは?

防寒インナーは、作業着・防寒着の下、いちばん肌側に着る肌着です。温まった空気を保ち、汗を肌から離して冷えを抑えます。重ね着の各層の役割は次のとおりです。

層 役割 主な素材・アイテムの例
防寒インナー(肌に触れる層) 体温で温まった空気を保ち、汗を肌から離す 裏起毛のコンプレッション、吸湿発熱素材、合成繊維の長袖
中間着 空気の層を厚くして保温を足す フリース、トレーナー、防風ジップシャツ
作業着・防寒着(外側の層) 風・雨・汚れを防ぐ 作業ジャンパー、防寒ブルゾン、防水防寒ジャケット

重ね着の暖かさは、いちばん内側の防寒インナーの状態に左右されやすくなります。インナーが汗を含んだままだと、上に重ねる中間着や作業着がどれだけ暖かくても、肌の表面から冷えていきます。

冬の現場で暖かく過ごしたいなら、上着を増やす前に、いちばん内側のインナーの素材・加工に目を向けてみましょう。

防寒インナーは素材や加工で暖かさがどう違う?

防寒インナーは、素材や加工によって暖かさの出方が変わります。代表的な素材・加工の違いを表にまとめました。

素材・加工 暖まる仕組み 乾きやすさ 風への強さ 暖かさの持続
裏起毛 肌側の起毛が空気をためる 合成繊維は乾きやすい。綿混は汗を含みやすい 生地の作りによる 着ている間続く
吸湿発熱 繊維が水分を吸うときに熱を出す 素材による 生地の作りによる 水分を吸う間だけ
防風素材 風を止め、暖かい空気を逃がしにくくする 透湿性の有無で蒸れ方が変わる 風を通しにくい 着ている間続く
綿 空気の層で保温する 汗を含むと乾きにくい 風を通しやすい 汗で湿ると冷えやすい

ここからは、暖まる仕組み・乾きやすさ・風への強さ・暖かさの持続の観点から、防寒インナーの素材と加工の違いを解説します。

暖まる仕組み:空気をためるか熱を出すか

防寒インナーの暖まり方には、次の仕組みがあります。

  • 空気をためる(裏起毛など):生地の中に空気をためて、体温を逃がしにくくする
  • 吸湿発熱加工:繊維が汗などの水分を吸うときに出す熱で温める

裏起毛は、生地の内側の繊維を毛羽立たせ、そのすき間に空気をためるのが特徴です。ためた空気が体温で温まり、外へ逃げにくくなるため、暖かさを保てます。厚手の裏起毛は、交通誘導や監視のようにじっと立って体が生み出す熱が少ない作業に、薄手の裏起毛は汗をかくほど動く作業に向いています。

一方の吸湿発熱加工は、繊維が汗などの水分を吸うと熱を出す仕組みです。肌から出る湿気を繊維が吸うたびに熱を出すため、目に見える汗をかく前から働きます。

暖まり方で選ぶなら、どの作業でも使いやすいのは裏起毛の防寒インナーです。吸湿発熱加工の商品を選ぶ場合、汗が多い作業では乾きやすさもあわせて比べましょう。

乾きやすさ:合成繊維は早く綿は遅い

汗をかく作業では、綿より早く乾くポリエステルなどの合成繊維を選びたいところです。

合成繊維は汗を含みにくいため、生地に水分が残りにくくなります。一方、綿は汗をよく吸う分、乾くまでに時間がかかる素材です。早く乾く生地を肌に着ておくと、休憩中の汗冷えを抑えやすくなります。

風への強さ:防風素材は風を通しにくい

一般的なインナーの生地は風を通すため、冷たい風を受けると生地の中の暖かい空気が奪われます。防風をうたう素材は風を通しにくく、暖かい空気を逃がしにくいのが特徴です。

ただし、風を通しにくい生地は湿気がこもりやすい場合があります。汗をかく作業で着るなら、商品ページに「透湿性(湿気を外へ逃がす性質)」や通気性の記載があるものを選んでください。

暖かさの持続:吸湿発熱は短く裏起毛は長い

吸湿発熱が熱を出すのは、繊維が水分を吸っている間だけです。裏起毛は空気をためて熱を逃がしにくくする仕組みのため、着ている間は保温が続きます。生地の厚さや乾きやすさ、着る環境によって暖かさの続き方が変わるため注意してください。

防寒インナーで汗冷えを防ぐには?

汗冷えは残った汗が蒸発するときと、濡れた生地が熱を伝えるときに体温が奪われて起こります。冷えを防ぐには、綿の肌着を重ねないこと、体に沿うサイズを選ぶこと、着丈と首まわりで肌を出さないことの3つが大切です。

綿の肌着を下に重ねない

汗をかく作業の日は、防寒インナーの下に綿の肌着を重ねないようにします。綿は汗をよく吸う一方で乾きにくく、濡れたまま肌に張り付いて体を冷やすためです。

汗を吸いやすい素材が、暖かいとは限りません。気温15℃の環境で女性3名が運動と安静を繰り返した研究では、4種類のインナーのうち、繊維が含む水分の割合が高い綿100%の衣服内温度が、安静中も運動中ももっとも低くなりました。

研究者は理由として、肌から絶えず出る水分が15℃の外気で冷やされたこと、綿が肌に触れる面積が大きいことを挙げています。肌に直接着る一枚は、汗をどれだけ吸うかより、「どれだけ早く肌から離せるか」を基準に選ぶといいでしょう。

出典:水谷千代美ほか「発汗による機能性スポーツ用インナーのパーフォーマンスへの影響」

体に沿うサイズで肌とのすき間を減らす

防寒インナーは、体に沿うサイズを選ぶと肌とのすき間が減り、汗が生地へ移りやすくなります。ゆとりの大きいインナーでは、肌と生地の間で汗が冷えやすく、温まった空気も逃げやすいのが難点です。

ただし、締め付けが強すぎると腕や肩が動かしにくくなります。メンズ・レディースの区別にこだわらず、腕を上げたりしゃがんだりしても突っ張らないサイズ感が理想です。

着丈と首まわりで汗ばんだ肌に風を当てない

かがんだときに背中や腰が出ると、汗ばんだ肌に冷たい風が当たり、汗が一気に冷えます。しゃがむ・前かがみになる作業が多いなら、腰まで隠れる着丈を選ぶと、かがんだときに背中が出にくくなります。

首まわりも作業着の襟元から風が入りやすい部分です。ハイネックやジップ付きのインナーなら首元からの風を防げるため、襟元が冷えるときは首の詰まった形を選びましょう。

【作業別】防寒インナーの選び方

選び方イメージ

防寒インナーを選ぶ目安は、作業中に体を動かす時間と止まる時間の長さにあります。

作業の例 動きと汗の量
荷運び・資材の運搬 よく動き、汗が多い
交通誘導・監視・点検の待ち時間 止まる時間が長い
高所・吹きさらしの屋外、バイクでの移動 風を受ける
しゃがむ・座る・ひざをつく作業 下半身が冷える

動いて汗をかく作業には薄手、止まる時間が長い作業には厚手のインナーが向いています。日によって作業が変わる方は、薄手・厚手を1枚ずつ持っておくと、その日の作業に合わせて使い分けられます。

なお、溶接のように火花が飛ぶ作業は別です。尾道労働基準監督署の資料では、ポリエステルやナイロンなどの化学繊維は熱で溶けて皮膚に張り付き、重度のやけどを引き起こすとしています。

火花が飛ぶ作業では、一般的なポリエステルやナイロンの防寒インナーを避け、綿100%や難燃性の素材を選んだうえで、勤務先の基準に従いましょう。

参考:広島労働局 尾道労働基準監督署「溶接スパッタ(火花)による着衣着火のヤケドが多発しています!!」

よく動く作業:薄手のコンプレッション

荷運びや資材の運搬など、よく動く作業は汗をかきやすくなります。体に沿う薄手のコンプレッションタイプで、汗を肌から生地へ移しましょう。

反対に厚手のインナーを着ると、動いている間に暑くなって汗が増え、休憩中の冷えにつながります。肌側が起毛した薄手タイプなら、保温と動きやすさを両立しやすくなります。

参考:内閣府「寒冷環境下における防災ボランティア活動の安全衛生に関する情報・ヒント集

じっと立つ作業:厚手の裏起毛

交通誘導や監視、点検の待ち時間など、じっと立つ時間が長い作業では、体が生み出す熱が少なくなります。汗の量も少ないため、保温を優先して厚手の裏起毛を選びましょう。首元が冷える場合は、ハイネックのタイプが向いています。

風を受ける屋外:インナーの上に防風を重ねる

高所や吹きさらしの屋外、バイクでの移動など、強い風を受ける作業では、インナーの中の暖かい空気が奪われやすくなります。肌に触れる防寒インナーの上に、防風素材を使った服を重ねてください。

しゃがむ・座る作業:インナータイツ

しゃがむ・座る・ひざをつく作業では、腰から下が冷えやすくなります。上半身のインナーに加えて、インナータイツを足しましょう。上下で同じシリーズの商品なら、素材や暖かさをそろえやすくなります。

【2026最新】ワークランドおすすめの防寒インナー6選

ワークランドで取り扱う防寒インナーから、この冬を乗り切るための6点を選びました。

いずれも合成繊維の長袖です。暖めるしくみは商品ごとに異なり、4091・G-1818・GTV46は裏起毛、47421は蓄熱素材、8015は断熱素材、3225は防風の生地です。商品ページの説明に、吸湿発熱をうたう記載はありません。

ここからは、おすすめ商品それぞれの特徴をご紹介します。

バートル 4091 ホットフィッテッド

荷運びや資材の運搬など、体をよく動かして汗をかく作業に向く長袖のホットコンプレッションです。2026-2027年秋冬のリニューアルモデルで、肌側の生地には裏面起毛を使っています。

項目 内容
素材(混率) ポリエステル90%・ポリウレタン10%
主な機能 裏面起毛、吸汗速乾、制電ケア、消臭テープ、4WAYストレッチ(伸長率40%以上)
首の形 低めのハイネック
サイズ S~XXL
下半身用(同シリーズ) バートル 4077

メーカーが謳うのは、保温性とドライな着用感が快適に続くことです。よく伸びる4WAYストレッチの生地が体に沿い、吸汗速乾加工で汗を肌から生地へ移します。動いて汗をかいても、汗が肌に残りにくい作りになっています。

バートル 4091 ホットフィッテッドの商品情報を確認する

コーコス GLADIATOR G-1818 ウォームパワーサポート 長袖

G-1818は、胸囲84~120cmに合わせたS~4XLの7サイズがそろう裏起毛インナーです。体格の違う人が混ざる職場でもサイズを合わせやすいため、洗い替えを含めて複数枚そろえたい方や、法人でまとめて用意する場合にも選びやすいでしょう。

項目 内容
素材(混率) ポリエステル90%・ポリウレタン10%
主な機能 裏起毛、消臭テープ、UVカット、フラットシーマ縫製
首の形 丸首
サイズ S~4XL(7サイズ)
下半身用(同シリーズ) コーコス G-1813

下半身用には、同じシリーズのコーコス G-1813 ウォームパワーサポート ロングタイツがあります。しゃがむ作業が多く下半身まで冷えるなら、セットで購入してもよさそうです。

コーコス GLADIATOR G-1818 ウォームパワーサポート 長袖の商品情報を確認する

EVENRIVER GTV46 ヒートボディフーディハイネック

GTV46は、じっと立つ時間が長い作業に向く長袖コンプレッションで、「ヒートボディシリーズ」の極厚の裏起毛素材を使い、フードが付いたハイネックの形になっています。

項目 内容
素材(混率) ポリエステル95%・ポリウレタン5%
主な機能 極厚の裏起毛、帯電防止
首の形 フード付きのハイネック
サイズ M~5L
下半身用(同シリーズ) EVENRIVER GTV03

伸縮性と通気性のある素材と極厚の裏起毛素材を部分ごとに組み合わせ、体温を保ちながら蒸れを抑える作りが特徴です。

下半身用には、同じシリーズのEVENRIVER GTV03 ヒートボディレギンスがあります

EVENRIVER GTV46 ヒートボディフーディハイネックの商品情報を確認する

クロダルマ 47421 長袖アンダーレイヤー

47421は、JIS T 8118の記載がある肌着を探している方や、締め付けの強いコンプレッションが苦手な方におすすめの長袖のアンダーレイヤーです。赤外線を吸収して発熱するとされる蓄熱保温素材「WARMFAST」を使っており、汗などの水分を吸って熱を出す吸湿発熱とは暖まる仕組みが異なります。

項目 内容
素材(混率) ポリエステル90%・ポリウレタン10%
主な機能 蓄熱保温素材「WARMFAST」、裏微起毛、制電(JIS T 8118の記載あり)、消臭テープ
生地の目付 140g/㎡
首の形 丸首
サイズ S~4L(6サイズ)
下半身用(同素材) クロダルマ 47422

シルエットは体に軽く沿う「ゆるピタ」、肌側はやわらかい裏微起毛です。なお、下半身用には、同じ素材のクロダルマ 47422 アンダーパンツがあります。

クロダルマ 47421 長袖アンダーレイヤーの商品情報を確認する

TS DESIGN 8015 スペースシールドロングスリーブシャツ

外気の冷えの影響を抑えたい作業で試したい長袖のインナーです。

項目 内容
素材(混率) ポリエステル85%・ポリウレタン15%
主な機能 断熱素材「スペースシールド」、消臭
重さ Lサイズの平均205g
首の形 丸首
サイズ S~3L
下半身用(同素材) TS DESIGN 8012

断熱性の高い物質を加工した素材「スペースシールド」を使っており、メーカーは「魔法瓶のように外の影響を受けにくい」素材としています。

TS DESIGN 8015 スペースシールドロングスリーブシャツの商品情報を確認する

TS DESIGN 3225 ウインドストップハイネック

3225は、強い風を受ける作業に適した防風タイプのハイネックインナーです。メーカーは通気性と保温性を両立した防風インナーとうたっています。メーカーは、インナー自体にも防風素材を使い、風を受ける作業で外側の服と併用しやすい点を特長としています。

項目 内容
素材(混率) 本体:ポリエステル90%・ポリウレタン10%、別布:ポリエステル94%・ポリウレタン6%
主な機能 防風、消臭テープ、静電気ケア
重さ Lサイズの平均290g
首の形 ハイネック
サイズ S~3L(5サイズ)
下半身用(同シリーズ) TS DESIGN 3222

本体にレイヤードフリースとマイクロフリース、後ろ身頃の全面に別布の「ウォームエア」を使い、冷気を遮りながら余分な熱を逃がす作りです。

TS DESIGN 3225 ウインドストップハイネックの商品情報を確認する

防寒インナーに関するよくある質問

防寒インナーを選ぶとき・着るときに浮かびやすい疑問にお答えします。

防寒インナーは2枚重ねると暖かい?

汗をかく作業では、防寒インナーの2枚重ねはおすすめできません。締め付けで動きにくいうえ、汗の逃げ道がふさがって乾きにくくなるおそれがあるためです。暖かさが足りないときは、厚手タイプに替えるか、上に中間着を足しましょう。

防寒インナーは電熱ベストと併用できる?

電熱ベストの下に防寒インナーを着て併用できます。同じ場所を長く温め続けると、温かいと感じる程度の温度で低温やけどになるおそれがあるため注意しましょう。

電熱ベストの選び方は、別の記事で解説しています。

>電熱ベストの選び方|おすすめ商品7選と選ぶ際のポイントを解説

防寒インナーは洗濯機や乾燥機を使える?

洗濯機や乾燥機を使えるかは、商品に付いた洗濯表示のタグで判断します。商品ページに洗濯表示が載っていない場合もあるため、届いたらまずタグの記号を調べておきましょう。

防寒インナーの買い替えどきは?

買い替えの時期は、年数より生地の状態で判断します。生地が伸びて体に沿わなくなった、薄くなった、裏起毛がへたったといった変化が出たら替えどきです。

まとめ:作業に合う防寒インナーをワークランドで探そう

動くと暑く、止まると寒い冬の現場では、肌に残った汗が冷えを招きます。防寒インナーを選ぶときは、作業に合う厚さと、汗を肌から離せる素材の両方を意識してみてください。

ワークランドでは、保温インナー・コンプレッションのカテゴリとコンプレッションタイツ・パンツのカテゴリで、さまざまな防寒インナーを取り扱っています。

法人でまとめて購入をご検討の際は、ワークランドのお問い合わせページから、着用人数とサイズ構成、洗い替えの枚数、必要な時期をあわせてお知らせください。

執筆者情報

ワークランド編集部

作業服や作業着、ワークウェアに精通した専門スタッフが監修しています。作業現場での実体験や最新のトレンドを基に、機能性やデザイン性を兼ね備えた商品選びのポイントを分かりやすく解説しています。ワークウェア選びでお悩みの方は、ぜひ参考にしてください。

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