コンプレッションウェアのイメージ

現場作業での疲労対策は多岐にわたります。休憩や栄養補給も大切ですが、これだけでは根本的な改善は難しいものです。疲労を軽くするには、筋肉そのものを安定させることが欠かせません。そこで役立つのが、「コンプレッションウェア」です。

コンプレッションウェアは筋肉を適切に圧迫することで、運動時の負担を軽くし、疲労物質の蓄積を遅らせます。今回は、コンプレッションウェアの特徴と仕組み、効果・効能、現場に合わせた選び方を徹底解説します。

コンプレッションウェアとは?

コンプレッションウェアは、伸縮性に優れた特殊な生地で身体を包み、適度な圧力をかける機能性インナーです。筋肉の無駄な振動を抑え、血液循環を促進することで、作業時のパフォーマンス向上と疲労軽減を実現します。

現場作業では、身体を動かし続けることで血流が悪くなり、疲労が蓄積しやすくなります。近年、こうした課題を解決する手段として、コンプレッションウェアが広く活用されるようになりました。

加圧シャツとは何が違う?

加圧シャツは身体全体に強い圧力をかけて、筋肉の引き締めと筋トレ効果を高めるための衣類です。一方、コンプレッションウェアは部位ごとに段階的な圧力を分散させ、血液循環を促進することで疲労を軽減します。

つまり、加圧シャツは筋肉を鍛えること、コンプレッションウェアは疲労軽減と血流改善が目的という違いがあります。現場での長時間作業では、疲労軽減に特化したコンプレッションウェアが最適です。

コンプレッションウェアの効果・機能

ここでは、コンプレッションウェア着用時に期待できる効果・効能についてご紹介します。

疲労回復効果

長時間の立ち作業では、下半身の血流が悪くなり、疲労物質が蓄積しやすくなります。コンプレッションウェアは、段階的な圧力で血液循環を促進し、この悪循環を改善します。

パフォーマンスアップ

筋肉に適度な圧力をかけることで、運動時の無駄な動きが抑えられます。具体的には、体幹が安定すると姿勢が崩れにくくなり、動作がスムーズになるということです。

ケガの防止

腰や膝への過度な負担を減らし、筋肉の微細な損傷を防ぎます。これにより、筋肉痛の軽減だけでなく、作業後の回復も早くなります。

優れた速乾性

ポリエステルやナイロンなどの合成繊維は、汗を素早く吸収して外側へ移動させる特性があります。肌表面に汗が留まらないため、蒸れを防ぎ、快適さを保ちます。

悪い姿勢の矯正

背中と腹部を圧迫することで、体幹の安定性を高めます。その結果、脊椎が正しい配列を保ちやすくなり、背筋が自然と伸びます。肩や腰への不要な負担が軽くなり、肩こりや腰痛の予防につながるとされています。

むくみの解消と血行促進

コンプレッションウェアの段階着圧設計は、足首に強い圧力をかけ、心臓に近づくにつれて段階的に弱めます。この設計により、足のむくみが軽くなり、血行が改善されるといいます。

着用感もポイント

適度な締め付け感が、気分の切り替えに役立つと感じる方もいます。体をキュッと締め付けられるような感覚が仕事モードへの切り替えをサポートするでしょう。

着心地改善機能

吸汗速乾素材が汗を素早く吸収し、外側へ移動させることで、肌表面をドライに保ちます。汗が肌に留まらないため、気温が下がったときの汗冷えを抑制します。

コンプレッションウェアの着用シーン

コンプレッションウェアの着用シーンイメージ

現場だけでなく、コンプレッションウェアは日常生活のさまざまなシーンで重宝するアイテムです。具体的な着用シーンをご紹介します。

スポーツ

運動後、翌日に疲労が残る方も多くいます。コンプレッションウェアを着用すると、筋肉の回復が促進されるとされており、疲労感が軽くなったと感じる方も少なくありません。個人差はあるものの、運動直後からの着用が効果を感じやすいようです。

登山やハイキング

下山では膝の動きが不安定になりやすく、疲労が蓄積しやすいものです。また、汗が冷えると体力を消耗すると考えられています。コンプレッションウェアを着用すれば、膝を安定させる効果と速乾性による汗冷え防止の両方が期待できます。

仕事着としても最適

建設・製造・倉庫など、身体を動かす仕事では、長時間の作業で筋肉疲労が蓄積しやすいものです。コンプレッションウェアは筋肉の揺れを抑え、体温を調整し、疲労を軽減します。

コンプレッションウェアの種類

コンプレッションウェアにはトップス・ボトムス・部分カバーなどの種類があります。季節や作業環境、自分の体型に合わせて選びましょう。ここでは、各タイプの特徴と選ぶ際のポイントを解説します。

トップス

長袖は保温性を重視した秋冬向け、半袖やノースリーブは通気性と速乾性を優先した春夏向けが一般的です。季節や現場の作業環境に合わせて選びましょう。

ボトムス・パンツ

ボトムスやパンツは、既存のズボンとの組み合わせで選びます。ズボンの下に重ね履きするなら薄手、タイツ代わりに直接肌に着用するなら厚手のものが最適です。

レッグカバー・アームカバー

コンプレッションウェア独特の着用感が苦手な方もいます。レッグカバーやアームカバーなら、特定の部位だけをカバーするため、気持ちよく着用できるでしょう。

その他の分類

多くのメーカーがコンプレッションウェアを展開しており、品揃えはさまざまです。大手スポーツブランドから専門メーカー、メンズ・レディース両対応のメーカーも多くあります。自分のニーズに合わせて、最適なブランドを選んでください。

コンプレッションウェアの選び方

コンプレッションウェアは、目的や環境、サイズによって選ぶべきタイプが変わります。適切な1着を選ぶことで、作業中の疲労軽減や安全性の向上が期待できるでしょう。

目的に合わせて選ぶ

矯正タイプ

体幹の安定性を高めたい方に向いています。適度な圧迫によって姿勢維持が期待でき、腰への負担を軽減します。長時間の立ち作業や中腰姿勢が多い現場で使いやすいタイプです。

サポートタイプ

重量物の運搬や持ち上げ作業でケガを防ぎたいときに適しています。テーピングのように特定の部位をしっかり固定することで、負担を分散させます。腰や膝に不安がある方は、このタイプを検討してみてください。

部分圧着タイプ

作業後の疲労回復を重視したい方におすすめです。足首などの末端部分への着圧が強く、心臓に向かって段階的に弱くなる設計により、血液の循環をサポートするといわれています。立ち仕事で足がむくみやすい方は、試してみる価値があるでしょう。

環境に合わせて選ぶ

作業環境によっても、最適なタイプが変わります。以下を参考に、現場の特性に合わせて選びましょう。

下半身用

建設現場や倉庫など、立ち仕事が中心の方に最適です。太ももやふくらはぎの筋肉をサポートすることで、疲労を軽減します。一日中立ちっぱなしという方には、下半身用が使いやすいでしょう。

全身着圧

製造ラインをはじめ、全身を使う作業に向いています。体全体のバランスを整えることで、疲労を分散させます。

サイズに合わせて選ぶ

購入前には必ずメーカーのサイズ表を確認し、身長・体重・胸囲・ウエストを測定してから選びましょう。サイズが大きすぎると十分な着圧効果が得られず、小さすぎると血流を妨げる可能性があります。

機能から選ぶ

季節や作業環境に合った機能を選ぶことも大切です。春夏は冷感・速乾性のある素材を選べば、汗をかいても快適に作業できます。秋冬は保温性を優先することで、寒い環境でも体温を保ちやすくなります。

コンプレッションウェアを着用する際の注意点

コンプレッションウェア着用注意点

サイズや着用方法を誤ると、効果が得られないだけでなく、体に負担をかける可能性もあります。ここでは、コンプレッション着用時の注意点を解説します。

サイズが大きいと効果なし

サイズ選びを誤ると、コンプレッションウェアは効果を発揮しません。大きすぎると着圧が弱まり、小さすぎると血流を阻害する危険があります。メーカーのサイズ表を必ず確認し、身長・体重・胸囲・ウエストを測定した上で、自分の体に合ったものを選んでください。

生地素材と肌の相性

コンプレッションウェアはポリエステルやナイロンなどの化学繊維でできています。敏感肌の方は注意が必要です。最初は短時間の着用から始めて、肌に異常が出ないか確認してください。

就寝時の着用は避ける

コンプレッションウェアは、あくまで活動中にサポート効果を発揮するものです。作業が終わったら速やかに着替えて、体を休ませる時間を作りましょう。

筋肥大を妨げる可能性

筋肥大を狙う筋トレ時には、コンプレッションウェアの着用は控えましょう。強い着圧が筋肉の膨張を抑え、トレーニング効果を減少させるためです。

加圧シャツなら筋肥大に必要な刺激を与えながら、同時に疲労を軽減できます。状況にあわせて使い分けるといいでしょう。

コンプレッションウェアのお手入れ方法について

コンプレッションウェアの性能を維持するには、適切なお手入れが必須です。具体的なポイントをご説明します。

洗濯時はネットを利用

生地の傷みを防ぐため、必ず洗濯ネットに入れて洗濯しましょう。洗い替えは2〜3枚用意することをおすすめします。柔軟剤は吸湿性を低下させる可能性があるため使用を控え、漂白剤の使用も避けてください。

つけ置き洗い

頑固な汚れやニオイが気になるときは、つけ置き洗いが効果的です。30分から1時間程度、中性洗剤または作業着専用洗剤でつけ置き洗いをします。生地への負担を考慮し、つけ置き洗いは月に1回程度にとどめましょう。

乾燥機の利用は避ける

乾燥機の使用は避けてください。高温により伸縮性が損なわれたり、繊維が縮んだりする可能性があります。風通しの良い場所を選び、日中に日陰干しするのが基本です。

作業着との組み合わせにおすすめのコンプレッションウェアメーカー

コンプレッションウェアは、メーカーごとに特徴や得意分野が異なります。作業内容や季節、求める機能に合わせて選べば、より快適に作業を続けられるでしょう。ここでは、現場で評価されている人気メーカーとおすすめモデルをご紹介します。

BURTLE(バートル)

バートルのコンプレッションイメージ

作業服業界で圧倒的な人気を誇るバートルは、スポーツブランドのような洗練されたデザインと機能性の両立が特徴です。

[バートル] 4070 エアーフィット長袖コンプレッション

極細ゲージのクールストレッチ機能素材を採用した春夏用長袖です。吸汗速乾加工とUVカット機能(UPF45)を備え、脇部には通気性の良いメッシュ素材と消臭テープを配置しています。

[バートル] 4091 ホットフィッテッド

裏面起毛素材で温もりを提供する秋冬用長袖です。4WAYストレッチニット素材が快適なフィット感を持続し、伸長率40%以上のストレッチ性能を持ちます。

[バートル] 4114 コットンフィッテド コンプレッション

綿90%・ポリウレタン10%の綿高混率で、滑らかな肌触りが特徴です。化学繊維が苦手な方でも安心して着用でき、吸水速乾加工とUVカット機能を備えています。

TS DESIGN(TSデザイン)

TSデザインのコンプレッションイメージ

広島県福山市に本社を置くTS Designは、独自開発の機能素材と洗練されたデザインを追求しているブランドです。

[TS Design] 81105 EXライト ロングスリーブシャツ

超軽量・ストレッチ・吸汗速乾・消臭・UVカットの機能を備えた春夏用長袖です。TS独自開発の最極細繊維を使用した超軽量インナーとなります。

[TS Design] 8012 スペースシールドロングパンツ

断熱性の高い素材を特殊技術で加工した次世代素材「スペースシールド」を採用したパンツです。薄くて軽いのに体温を一定に保ち、春秋冬の3シーズンで快適に着用できます。

[TS Design] 841251 無重力ハイテコ

膝上丈で生地が汗を吸い、ズボンが肌にくっつくのを防ぐ春夏用インナーパンツです。風通しがよく、涼しさが感じられるクールメッシュ素材を採用しています。

EVENRIVER(イーブンリバー)

イーブンリバーのコンプレッションイメージ

接触冷感性の高い高品質ナイロン素材と通気性の良いメッシュパーツを組み合わせた「GT」シリーズで知られるブランドです。

[EVENRIVER] GTE06 アイスコンプレッションロングTシャツ

春夏向けの冷感長袖です。ナイロン素材がひんやりとした着用感をもたらし、メッシュパーツの通気性が高温環境での快適性を高めます。

[EVENRIVER] GTE00 アイスコンプレッションアームカバー

腕に装着するだけで日焼けを防ぐUVカット効果があり、半袖インナーと組み合わせて使える春夏用アームカバーです。防虫加工により夏場の虫の寄り付きを軽減します。

[EVENRIVER] GTE01 アイスコンプレッションインナーキャップ

ヘルメット着用時に活躍する春夏用インナーキャップです。ナイロン素材特有のひんやり冷感で頭部の不快感を軽減でき、吸汗速乾素材によりサラサラな状態を保ちます。ヘルメットの蒸れが気になる方、屋外作業の多い方におすすめです。

GLADIATOR|CO-COS(グラディエーター/コーコス)

CO-COSコンプレッションイメージ

コーコス信岡が展開するGLADIATORブランドは、高機能と高コストパフォーマンスを両立させたコンプレッションウェアが人気です。

コーコス [GLADIATOR] G-1818 ウォームパワーサポート 長袖

裏起毛素材で熱をしっかり蓄え、優れた保温性とフィット感を備えた秋冬用長袖です。消臭テープで不快な汗臭を軽減し、フラットシーマ縫製により快適な肌触りを実現しています。

コーコス [GLADIATOR] G-2028 ニオイクリア 消臭パワーサポート長袖

日本製ニオイクリア消臭糸を編み込み、不快なニオイ成分を含む汗を繊維の力で瞬時に「水」に分解、無臭化します。現場での快適性を高めたい方、汗のニオイが気になる方は一度お試しください。

コーコス [GLADIATOR] G-818 ドライパワーサポート長袖

冷感機能と運動性を兼ね備えた春夏用長袖です。首元と脇のメッシュ部分に施したキシリトールプリントがひんやりとした着用感をもたらし、全方向ストレッチ素材が腕の伸展や前屈動作をサポートします。

まとめ

コンプレッションウェアを選ぶときは、目的・環境・サイズ・機能の4つを確認することが大切です。作業内容に合ったタイプを選べば、疲労軽減や姿勢サポートの効果が期待できます。

一方で、「種類が多くてどれを選べばよいかわからない」という声も聞かれます。

ワークランド」では、豊富な商品ラインアップの中から、お客様のお悩みに合った最適なウェアをご提案いたします。作業内容や体の状態を詳しくお伺いした上で、ご満足いただける一着をお見つけするお手伝いをしております。ウェア選びでお困りなら、ぜひ一度ご相談ください。

執筆者情報

ワークランド編集部

作業服や作業着、ワークウェアに精通した専門スタッフが監修しています。作業現場での実体験や最新のトレンドを基に、機能性やデザイン性を兼ね備えた商品選びのポイントを分かりやすく解説しています。ワークウェア選びでお悩みの方は、ぜひ参考にしてください。

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