ヒーター付きベストとは?選び方から注意点まで
ヒーター付きベストは手軽に寒さをしのげる便利な防寒服です。屋外で体を動かす人にはとくに人気で、秋冬にかけて利用者が増えます。
今回は、そんなヒーター付きベストの概要からメリット、選び方、おすすめ商品に加え、着用時の注意点やお手入れ方法などをご紹介します。
目次
ヒーター付きベスト(電熱ベスト)とは?
ヒーター付きベストとは、バッテリー電源でヒーターユニット(電熱シート)を発熱させることにより、体を暖められる服のことです。電熱ベストとも呼ばれます。ヒーターユニットが温まる時間は10秒程度と早く、寒い時期の屋外でも快適に過ごせます。なお、最近はベストだけでなく、ジャケットやパンツなどにもヒーターが取り付けられた(もしくは取り付ける)商品も増えてきています。
ヒーター付きベストが活躍するシーンとは?
以前より、ヒーター付きベストはバイクや釣りなどのシーンで活躍してきました。最近では、アウトドアやスポーツといった場面でもよく使われています。
また、手軽に暖を取れることから、屋外での作業や室内での家事などで利用する人も増えています。一着持っておくだけで、寒い冬でも快適に過ごせるでしょう。
ヒーター付きベストのメリット
寒い時期に人気が高まるヒーター付きベスト。暖房機器には他にもさまざまなものがありますが、ヒーター付きベストならではのメリットにはどのようなものがあるでしょうか?
効率的に体を温められる
ヒーター付きベストは電気の力を使い、熱を発生させる仕組みです。運動によって体が温まり、その熱で暖を取る一般的なアウターとは考え方が違います。そのため、スイッチを入れればすぐに暖かさを感じられるでしょう。
また、電気毛布などの暖房機器に比べると、体にベストが密着しているため熱が伝わりやすく、さらに気密性もあるため、外に熱が逃げにくいという特徴もあります。その意味では、非常に効率的な暖房と言えるでしょう。
小型バッテリーでも使える
ヒーター付きベストは消費電力が小さい点も魅力のひとつです。たとえば電気毛布の場合、30~50W前後の電力を消費します。一方、電気ベストは5~10Wの電力のみで稼働できます。
屋外での利用を考えると、電源はポータブルバッテリー等になるのが一般的です。この場合、電気毛布はかなり大型のバッテリーを用意しなくてはなりません。しかしヒーター付きベストであれば、スマホの充電などに利用する小型のモバイルバッテリーでも利用できるケースがほとんど。もしくは、軽量のバッテリーが内蔵されており、より手軽に利用できます。
いつでもどこでも快適
軽量かつ自由度の高いヒーター付きベストは、フットワークの軽さが魅力です。他の暖房器具に比べると使用できるシーンは広く、車内でも屋外でも活躍。また、コートやブルゾンなどに比べるとボリューム感が少ないため、インナーとしても着られるでしょう。もちろん、アウターとして着用する場合は、袖がない分動きやすいので、アクティブな場面にも最適です。
ヒーター付きベストの選び方
導入することで手軽に、かつ効率的な暖かさを得られるヒーター付きベスト。しかし、実際にラインナップを見ると種類がとても多く、どれを選べばいいかで迷う方も多いでしょう。そこで以下からは、ヒーター付きベストを選ぶ際のポイントを解説します。
着用タイプ
まず前提として、ヒーター付きベストには「アウタータイプ」と「インナータイプ」があります。まずは大まかな分類を知っておきましょう。
アウタータイプ
それ1枚でしっかり暖を取れるように作られたアウタータイプは、体はもちろん、首元までしっかりと発熱するモデルもあり、厳しい寒さにぴったりのアイテムです。また、厚めの素材となっていれば保温性も高く、長時間屋外にいるような場合にも最適です。「ベストタイプのアウターは手軽に着られて好きだけど、寒さが気になる」といった方にもおすすめです。
インナータイプ
薄手・軽量に作られたインナータイプは、スーツやスポーツウェアの中に着込むのに最適です。首回りが広いデザインが多いため、見た目もすっきり。それでいて、電気の力を使いしっかりと暖を取れるのがポイントです。「着ぶくれするのは困るけど、寒さ対策はしっかりしておきたい」という方におすすめです。
デザイン
ヒーター付きベストにはさまざまなデザインがあります。上記でご紹介したアウタータイプとインナータイプのほかにも、フードが付いていたり、ポケットが付いていたり。なかには、カラーバリエーションが豊富に用意されている商品も。コーディネートを楽しめるのも魅力のひとつです。ご自身の好みや着用シーンに合わせて、ぴったりな一着を選びましょう。
バッテリー
ヒーター付きベストの稼働時間はバッテリー容量に比例します。逆に言えば、どれだけ着用するのかによって、必要なバッテリー容量も変わるということです。屋外での作業時間が長い場合には、大容量タイプのバッテリーを利用するようにしましょう。ただし、容量の大きさは重さにも直結します。座り仕事が多いなどの場合は問題ありませんが、立ち仕事の場合にはバランスを考えましょう。
一方、通勤程度の短い時間なのであれば、小容量のものでも構いません。もしくは、休憩時間などに充電できる環境があるなら、小容量を選んでも差し支えないでしょう。替えのバッテリーを用意するという方法もおすすめです。一回に使える時間は短くなりますが、その分、重量は軽くなるので動きやすくなるはずです。
なお、ヒーター付きベストには「モバイルバッテリータイプ」と「専用バッテリータイプ」があります。それぞれの特徴を以下でご紹介します。
モバイルバッテリータイプ
市販のモバイルバッテリーを使い、ヒーターを稼働させるタイプです。多くの製品は、スマホなどの充電にも使われるUSB出力のモバイルバッテリーに対応しています。充電切れの場合はコンビニなどでも購入できます。また、バッテリーが付属しない分、本体が比較的安価に設定されているケースが多い傾向にあります。モバイルバッテリーをすでに持っているという方におすすめです。
ただし、一部のモデルは市販のバッテリーに対応していない可能性があります。購入前には必ず規格等について確認をしてください。
専用バッテリータイプ
付属の専用バッテリー、もしくは別途専用のバッテリーを購入して利用するタイプです。モバイルバッテリー等を持っていないという方や、すぐに着用したいという方には最適です。また、軽量でかつ発熱時間が長いなど、ヒーター付きベストに合った使い勝手を考慮された設計の商品も多い傾向にあります。
デメリットは価格です。本体だけでなくバッテリー分のコストが乗っていますから、モバイルバッテリータイプに比べると値段が高くなりがちです。
ヒーターユニット
製品によってヒーターユニットの場所は変わります。背中や首元、腰が一般的ですが、なかには胸部にヒーターユニットを設置した商品も。また、ユニットとベストが一体になっているタイプと、ユニットが取り外せるタイプにも大別できます。
一体型
ベストとユニットが一体となったタイプは、価格が安いのが大きなメリットです。後にご紹介する着脱型の場合、ベストとヒーターユニット(発熱体)、バッテリーを購入しなくてはなりません。一方、一体型は少なくともベストとヒーターがセットであり、あとはバッテリーを揃えるだけで一式が揃います。もちろん、バッテリー付属の商品であれば、それだけですぐにヒーター付きベストを利用できます。
ただし、一体型は機械等がベストに縫い付けられているため、洗濯機が使えない場合があるので注意が必要です。汚れやすい環境で作業をするような方は、必ず洗濯表示記号タグ等で確認をしてください。また、故障時にはヒーター付きベストそのものを交換しなくてはならない場合もあります。
着脱型
着脱式はヒーターユニットを取り外せるタイプです。一体型と比べると、洗濯がしやすくなり、かつ交換も簡単。また、より細かな温度調節も可能。着用頻度が高い方におすすめです。
デメリットは価格です。別売りのヒーターユニットを揃える必要があるため、どうしても初期費用が高くなる傾向にあります。
温度調整機能
ヒーター付きベストには温度調整機能が備わっています。主流となっているのは弱・中・強の3段階です。もしくは、30~60度でより細かく設定ができる商品もあります。
調整機能は、ベスト内を暖めるだけでなく、稼働時間の調整にも役立ちます。肌寒い程度の気温であれば、低温モードにすることで10時間以上利用できるものも。状況に応じて使い分けてください。
素材
ヒーター付きベストに使われる素材には、「綿」や「ポリエステル」があります。とくにポリエステルは軽く、耐久性も高いのが特徴です。動きやすいだけでなく、シワができにくい、速乾性が高いといった特徴があるため、「毎日仕事で着る」という方にぴったりです。
なお、近年ではフリースやニットといった素材で作られているヒーター付きベストも登場しています。選ぶ際には、それぞれの特性についても確認しておきましょう。
撥水性
屋外での作業を行うのであれば、生地の撥水性にもご注目ください。いくらヒーターで暖められるといっても、生地に水がしみ込んでしまっては効果が半減してしまいます。雨や雪などの天候、水辺での作業といったシチュエーションでも快適に過ごすためには、しっかりと水を弾くヒーター付きベストがおすすめです。
サイズ
ヒーター付きベストは、ジャストサイズを選ぶのがおすすめです。
大きすぎるサイズは体とベストとの間にすき間が生まれ、せっかく暖めた空気を外に逃がしてしまいます。かといって、小さすぎるものは動きにくいため避けておきましょう。とくにインナータイプの場合は、しっかりと体にフィットするサイズを選ぶのが大切です。
なお、女性がメンズラインのヒーター付きベストを購入する際は、ファスナーやボタンなどで調節ができる商品がおすすめです。
安全面
ヒーター付きユニットにはいくつかの注意点があります。詳細は後述しますが、とくに気をつけたいのが低温やけどとバッテリートラブルです。こうしたリスクを踏まえ、安全設計がなされているヒーター付きユニットを選びましょう。
手入れのしやすさ
ほとんどのヒーター付きベストは、自宅で洗濯ができます。ただし、手洗いはできるが、洗濯機はNGといった決まりがあります。とくに洗濯機NGとなっている撥水加工のアイテムについては、洗濯で生地の縫い目に水が入り、撥水力低下の原因になるため注意しましょう。
おすすめのヒーター付きベスト8選
続いて、人気の高いヒーター付きベストについてもご紹介します。はじめて購入される方におすすめのモデルを8つ厳選しました。
[アタックベース] 60000 Wスイッチヒートベスト HYPERバッテリーセット
[アイトス] AZ-8301/AZ-8305 Vネックベストセット(HOTPIA)
自重堂 [Z-DRAGON] FGA79000 電熱ベスト
[バートル] 5274 防寒ベスト 大型フード付き (ユニセックス)
CHUSAN [HOP-SCOT] 9562 d-HEAT迷彩シレーベスト
[バートル] 3214 軽防寒ベスト (ユニセックス)
[バートル] TC250 サーモクラフト(電熱パッド)
[バートル] TC500 サーモクラフト(電熱パッド)
ヒーター付きベスト着用時の注意点
ヒーター付きベストは大変便利なアイテムですが、着用時にはいくつか注意点があります。
単体の防寒効果は低い
ヒーター付きベストは、ユニットが配置された箇所の周辺を暖めるのに適しています。そのため、指先や下半身に寒さを感じることもあるでしょう。単体の防寒効果はそこまで高くないので、時期によってアウターと組み合わせたり、インナーとして着込んだりするのがおすすめです。
連続使用時間が短い
屋外にいる際などは、コンセントから直接電気を受け取れないため、バッテリー切れとなる可能性もあります。また、バッテリーの容量が小さいと長時間にわたる連続使用が難しくなることも。そのため、予備バッテリーを用意する方も少なくありません。
長時間の使用による低温やけど
体の一部ばかりを温め、長時間使用すると「低温やけど」になる可能性があります。これを防ぐには、適切な温度調整やオン・オフがポイント。また、少しずつ温度を上げていくのも重要です。
バッテリー事故の可能性
ヒーター付きベストはバッテリーの力を借りて発熱します。そのため、万が一故障などがあると、発火事故につながる可能性もあります。こうした状況を防ぐために、製品選びの際はPSEマークを確認しましょう。加えて、「圧力をかけない」「高温環境に放置しない」「強い衝撃(落下)を避ける」といった心がけも大切です。
ヒーター付きベストのお手入れ方法
ヒーター付きベストは屋外での使用が多くなるため、汚れなども付きやすいのが困ったところです。しかし、正しい洗濯方法を選ばないと、機能が低下する可能性も。そこでここからは、着脱式のヒーター付きベストのお手入れ方法をご紹介します。
1.バッテリーの取り外し
まずはバッテリーをヒーター付きベストから取り外しましょう。この際、USBケーブルなどもきちんと収納してください。しまう場所がない場合は、金属部分をテープで塞ぎ、傷から守りましょう。
2.洗濯表示の確認
ヒーター付きベストに付いている洗濯表示を確認し、それに合わせた洗濯方法を実施します。洗濯機がNGな場合は手洗いをするなど、必ず支持にしたがってください。
3.乾燥
洗濯が終わったら、ヒーター付きベストをしっかり乾かしてください。アイロンが使えるものもありますが、基本的には避けるのが賢明です。使う際は低温で、かつ目立たないところで試しましょう。
まとめ
ヒーター付きベストを活用すれば、寒い時期でも快適に過ごせます。種類が多いため選ぶのが難しいと感じたら、ぜひ今回の記事を思い出してください。また、ワークランドでは秋冬の作業にぴったりな各種ヒーター付きベストをご用意しています。ここでご紹介した以外のアイテムもとり揃えておりますので、ぜひご覧ください。