空調服・ファン付きウェアとは?ファン付き作業着について詳しく解説
空調服・ファン付きウェアは、熱中症対策や作業効率改善などに役立つ作業着です。こちらの記事では、その仕組みや構造、メリットや効果などについて解説します。
目次
空調服・ファン付きウェアとは?
空調服・ファン付きウェアは、バッテリー駆動の小型ファンを内蔵した作業着のことです。ファンによって外部から空気を取り込み、作業服内に送風することで汗を気化させ、涼しさを得ます。暑さの厳しい屋外や、冷房の効かない屋内でも、快適に作業がおこなえるということで注目をされました。
空調服・ファン付きウェアの仕組み
空調服・ファン付きウェアの仕組みを理解するのに必要なのが「生理クーラー」です。合わせて、空調服・ファン付きウェアの有効範囲についても解説します。
人に備わっている「生理クーラー」
人にはもともと「生理クーラー」と呼ばれる機能が備わっています。これは、体温が上昇すると、それに合わせて脳が冷却用の汗を出すよう命令を出すことです。汗が気化すると体から熱量が奪われ、結果として体温調節になるのです。
生理クーラーの促進には風が必要
汗が気化するためには、新鮮な空気と、十分な空気の流れが必要になります。外気が入り込まず、外へ排出されない状態では、蒸発が起こりにくくなってしまうのです。
空調服・ファン付きウェアは、こうした生理クーラーの働きを促す効果があります。ファンによって作業服内に外気を取り入れ、送風をすることで、生理クーラーの有効範囲が拡大されます。
空調服・ファン付きウェアの有効範囲
空調服・ファン付きウェアは、取り付けたファンの送風能力によって冷却能力に差が生まれます。単位には「キロカロリー」が用いられており、これは人の体が発生する熱量に対応します。たとえば、一般的な成人の歩行時の熱量は約200キロカロリーです。この場合、ファンの送風能力が200キロカロリー以上であれば、空調能力として十分と判断できます。
ただし、空調服・ファン付きウェアは構造上、外気温や湿度によって効果が左右されます。メーカーによって温度と湿度の基準は異なるため、事前に有効範囲を確認することが大切です。
空調服・ファン付きウェアの効果・メリット
空調服・ファン付きウェアの仕組みが分かったところで、次はより具体的な効果やメリットについて見ていきましょう。
快適な温度を保ち、体力の消耗を抑える
たとえば、夏場に屋外で作業をすると、その暑さだけで人は体力を奪われます。最悪の場合、熱中症になって倒れてしまう可能性もあるでしょう。空調服・ファン付きウェアを着用すれば、作業服内にこもった熱を体外に放出できるだけでなく、生理クーラーによる効果で体温の調整が行えます。結果として、体力の消耗が抑え、熱中症対策にもつながるでしょう。
汗臭さを抑え、汗疹を防止する
大量の汗は体力の消耗だけでなく、不快感にもつながります。臭いはその代表的なものでしょう。また、衣服が体に張り付くことで、動きにくくなるとった弊害もあります。なお、汗をかいた状態で長時間作業を続けると、汗疹(あせも)をはじめとした皮膚病にかかりやすくなります。空調服・ファン付きウェアには汗を気化する働きがあるため、臭いや疾患の予防にもつながります。
作業効率を高める
体力の消耗を抑え、快適な作業がサポートされるということは、それだけ作業効率が高まることを意味しています。酷暑の場合は、普段よりも多く休憩の時間を取る必要がありますが、空調服・ファン付きウェアを着用していれば、その時間も短縮できるでしょう。また、熱中症などのトラブルが発生すれば、作業自体が中断してしまうかもしれません。このようなトラブルを防止することは、結果として利益改善にもつながるのです。
空調コストなどを削減する
熱が籠もりやすい屋内環境での作業時でも、空調服・ファン付きウェアは効果的です。また、室内温度を下げるために冷房を入れることがありますが、このコストは決して小さくはありません。空調服・ファン付きウェアは、空調コストを必要最小限に留めることにも貢献してくれます。
利益改善の効果にも期待
たとえば、空調服・ファン付きウェアを1日8時間程度稼働させた場合でも、1カ月の電気代は数十円です。非常に安いランニングコストで、快適な労働環境が整います。また、低コストであるにもかかわらず、効果が高いのもポイント。快適な環境が整えば作業員の能率もアップするため、結果として企業の利益改善にも期待が持てます。
空調服・ファン付きウェアが活躍するシーン
次に、空調服・ファン付きウェアが具体的にどのような場面で活躍しているのかについて見ていきましょう。
会社や工場
仕事で空調服・ファン付きウェアが活躍する場面は多岐に渡ります。代表的なのは夏季の炎天下での作業時です。熱中症を防止するためのアイテムとして、空調服・ファン付きウェアはとても有効です。また、屋内であっても冷房が効きにくいようなシチュエーションであれば、やはり空調服・ファン付きウェアが活躍します。加えて、汗を大量にかくような肉体的負荷の多い作業でもおすすめです。汗をすばやく乾かしてくれるため、快適かつ衛生的に作業に取り組めます。
アウトドア・スポーツ
最近では、オシャレなデザインの空調服・ファン付きウェアも増えてきています。そのため、キャンプやゴルフ、釣りといった屋外レジャーを楽しむ際の、熱中症対策グッズとしても役立ちます。そのほか、ウォーキングなどにもおすすめですし、屋外でのスポーツ観戦時などにも効果的です。
自宅作業
仕事だけでなく、自宅でDIYを楽しみたいといった場面でも、空調服・ファン付きウェアは便利です。日曜大工であっても、屋外で作業を行うのであれば熱中症対策は必須です。その他にも、ガーデニングなどの庭仕事や、清掃時にも役立ちます。
空調服・ファン付きウェアに必要なパーツ
空調服・ファン付きウェアは、必要なパーツがセットで販売されているケースも多い傾向にあります。基本的に、一式まとめて買っておけば間違いはありません。ただし、一部のパーツが故障したり紛失したりといった場合は、個別に購入が必要です。そこで以下から、空調服・ファン付きウェアに必要なパーツについて解説します。
ファン
まずはもっとも重要なパーツである「ファン」です。このパーツが回転することによって、外気が作業服内へと流れ込みます。なお、ファンはもっとも壊れる可能性の高いパーツです。使用後は、適切なメンテナンスを行いましょう。また、防塵フィルターなどのオプションを取り付けると、ファンが長持ちするのでおすすめです。
バッテリー
ファンを動かすために必要な電力を供給するのが、バッテリーの役割です。空調服・ファン付きウェアでは、このバッテリーで空調のON・OFFおよび風量の調整を行います。
新しいモデルになるほどパワーが強くなり、かつ稼働時間も延びる傾向にあります。また、故障することもなかなかありません。寿命も年単位と短くないので、一度購入してからはしばらく使うものだと認識しましょう。
なお、ファンとバッテリーにはそれぞれ互換性があります。互換性のないパーツ同士を組み合わせて使っても、正しい効果は得られません。場合によっては故障の原因につながります。この場合、保証も効かなくなるため注意しましょう。
専用作業服
空調服・ファン付きウェアには、ファンを取り付けるための専用の取り付け穴が設けられています。また、風が効率的に抜けていく構造でつくられているのも特徴です。一般的な作業服では代用できないため、専用のものを購入してください。
空調服・ファン付きウェアの選び方
空調服・ファン付きウェアは、体と服のすき間へ風を送り込む必要があります。そのため、サイズは大きめのものを選ぶことが大切です。また、近年ではさまざまなデザインや機能を持った空調服・ファン付きウェアが登場していますので、ご自身の好みや用途に合ったものを選びましょう。
詳しくは「空調服・ファン付き作業着のサイズの選び方|大きめを選ぶ?選び方を解説」にてご紹介していますので、ぜひご覧ください。
まとめ
暑さが気になる環境において、空調服・ファン付きウェアは快適性を保つためのおすすめアイテムです。各社がさまざまな商品を開発・販売していますので、ご自身に最適なものを選びましょう。
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