作業服の油汚れの落とし方

作業着に付着する油汚れは、日々の洗濯だけではなかなか落とせず、蓄積してしまいがちです。放置すると汚れが繊維の奥深くに染み込み、作業着の劣化を早める原因にもなります。 大切な作業服を長持ちさせるには、適切なケア方法を取り入れ、ガンコな油汚れをしっかり取り除くことが大切です。そこで今回は、作業着のお手入れ方法3選をご紹介。油汚れが落ちなくて困っているという方は、ぜひお試しください。

作業着の油汚れは落としにくい?

作業服のガンコな油汚れは、汚れの性質と不適切なケアが主な原因です。早めに対処を行うことで、汚れの蓄積を防ぐことができ、作業服が長持ちします。

油汚れの特徴

油汚れは水に溶けにくく、放置すると繊維に定着して落としにくくなります。作業着に付着した場合は早めの対応が重要です。ただし、油汚れに対する正しい対処法を知らないと、なかなかすぐにはお手入れができないもの。その結果、手遅れの汚れがこびりついてしまうことも少なくありません。

作業着に付く汚れの種類

作業着に付く汚れは、大きく分けて以下の4種類に分類されます。それぞれの特徴を理解し、適切な対処を行うことが重要です。

水溶性の汚れ 汗やしょう油、果汁などの水溶性汚れは、水に溶けやすいため通常の洗濯で比較的簡単に落とせます。
油溶性の汚れ 油脂やグリス、チョコなどの油溶性汚れは、水に溶けにくく、通常の洗濯だけでは落としにくいです。専用洗剤やつけ置き洗いが効果的です。
不溶性の汚れ 砂やホコリ、鉄粉などの不溶性汚れは、物理的に繊維に絡みつくため落としにくい汚れです。ブラシを使用するなど、工夫したケアが必要です。
色素系の汚れ ワイン、血液、インクなどの色素系汚れは、繊維に染み込みやすく、一度定着すると落とすのが難しくなります。早めの対応がカギです。

特に作業服には「油溶性」「不溶性」「色素系」の汚れが多く付着するため、これらの汚れに対する効果的な洗浄方法を知ることが大切です。

柔軟剤が汚れをこびりつかせることも

柔軟剤の使い方次第では、汚れが繊維に固定されてしまうことがあります。柔軟剤の役割は、繊維のコーティングです。柔軟剤を汚れが残った衣類に使用すると、柔軟剤の成分が繊維に浸透し、汚れを固定してしまう原因となります。

油汚れの蓄積・層化

洗濯で落としきれなかった油汚れは、繊維に残ったまま新たな汚れが重なることで、層のように蓄積されていきます。時間が経つと汚れが繊維の奥深くまで染み込み、通常の洗濯では落とせない頑固な汚れとなります。さらに、繰り返しの洗濯により生地が摩耗し劣化が進むため、作業着の寿命を縮める原因にもなるのです。

作業着の油汚れを落とす基本的な方法

一度こびりつくとなかなか落ちない油汚れ。下洗い・予洗いやお湯を使ったつけ置き洗いを行い、適切な洗濯方法を用いて、しっかりと落としていきましょう。まずは基本的な洗い方をご紹介します。

下洗い・予洗いをする

本洗いの前に、下洗いや予洗いをしておくと、作業着に付いた油汚れをしっかりと落とせます。

汚れの蓄積を防ぐ

作業服に付着した油汚れをそのまま放置すると、洗濯を繰り返しているうちに徐々に蓄積し、繊維の奥深くに染み込んでしまいます。この蓄積を防ぐためには、下洗いや予洗いを取り入れると効果的です。特に油汚れ専用の洗剤を使用し、早めに対応することで汚れが生地に定着するのを防ぎます。

汚れを浮き上がらせる

下洗いや予洗いのポイントは、汚れが繊維にとどまる前に、専用洗剤や台所用中性洗剤を使用して油の分解を促しておくことです。特に、40~60℃程度のお湯を使用すると、油汚れが分解されやすくなり、後工程で落ちやすくなります。また、柔らかいブラシで軽くこすることで、繊維表面に浮いた汚れを効率よく取り除けます。

高温のお湯でつけ置き洗い

つけ置き洗いをする際には、高温のお湯を使うのがポイントです。メリットや効果についてご紹介します。

つけ置きのメリット

作業服を洗剤液に半日から1日つけ置きすると、汚れが繊維から浮き上がり、通常の洗濯だけでは落としきれない汚れを取り除けます。汚れがひどい場合は、つけ置き液を新しいものに交換して再度つけ置きすることで、より効果的に汚れを取り除けます。

高温のお湯の効果

油汚れは温度に反応しやすいため、高温のお湯が有効です。具体的には、40~60℃のお湯を使用すると、油汚れが分解されやすくなり、繊維表面から汚れが浮き上がります。ただし、色落ちや生地の傷みを防ぐため、作業服の素材には注意しましょう。また、洗濯機でお湯を使用する場合は50℃以下にしてください。

汚れがひどい部分はこすり洗い

使って優しくこすることで、繊維を傷めることなく汚れを落とせます。ただし、強くこすりすぎると生地が傷む可能性があるため、力加減には十分注意してください。

洗濯機で洗う

下洗いやつけ置きを終えた作業着は、40℃以上のお湯を使って洗濯機で洗うのが効果的です。お湯を使用することで、繊維に残った油汚れをさらに浮き上がらせ、しっかりと落とせます。
なお、汚れが完全に落ちている場合は、ほかの衣類と一緒に洗っても問題ありませんが、油汚れが残っている可能性がある場合や汚れが気になる場合は、単体で洗濯するほうが安心です。また、洗剤は油汚れに強いタイプを選ぶことで、よりよい仕上がりが期待できます。

洗濯機の清潔さを維持

下洗いや予洗いを省略してしまうと、洗濯機内部に油汚れが蓄積し、次回以降の洗濯物に汚れが移るリスクがあります。これを防ぐためにも、事前に汚れを可能な限り取り除いてから、洗濯機を使うことが重要です。
また、定期的に洗濯機のクリーニングを行い、洗濯槽の清潔さを保つことも大切。専用の洗濯槽クリーナーを使用して内部を洗浄することで、洗濯機を長持ちさせると同時に、次の洗濯物への汚れ移りを防げます。

頑固な油汚れにはベンジンやクレンジングオイル

作業着の頑固な油汚れには、ベンジンやクレンジングオイルを活用するのが効果的です。油を溶かす力が強く、通常の洗濯だけでは落ちない汚れも効率的に落とせます。また、食器用洗剤を組み合わせることで、さらに効果が高まります。

ベンジンを使用した方法

まず、汚れの下にタオルを敷きます。次に、歯ブラシに少量のベンジンを付け、汚れを優しくトントンとたたきましょう。すると、タオルに油汚れが染み出してきます。この作業を汚れが目立たなくなるまで繰り返してください。ただし、力を入れすぎると生地を傷める可能性があるため注意が必要です。

クレンジングオイルを使った代用方法

ベンジンが手元にない場合は、クレンジングオイルを活用します。クレンジングオイルは油を浮かせる効果があるため、頑固な油汚れを落とすのに有効です。汚れている箇所に付けたら、ベンジンと同様に、歯ブラシで優しくたたきながら汚れを浮き上がらせます。

残りの油汚れの処理と仕上げ

ベンジンやクレンジングオイルで大部分の汚れを落とした後、食器洗い用洗剤を使って仕上げのもみ洗いを行います。食器洗い用洗剤には油を分解する成分が含まれているため、残った汚れも効率的に落とせます。最後は洗濯機でいつものように洗濯をして、作業着全体を仕上げてください。

なかなか落ちない油汚れには専用洗剤の利用もおすすめ

洗剤イメージ

なかなか落ちない油汚れには、専用洗剤を使う方法がおすすめです。通常の洗濯洗剤では落としきれない頑固な汚れも、油汚れに特化した専用洗剤を使えば効率よく落とせます。

専用洗剤とは?

専用洗剤は、頑固な油汚れを落とすために開発された洗剤です。通常の洗濯洗剤では対応しきれない油汚れをしっかり分解し、繊維に染み込んだ汚れまで落とします。特に油脂やグリス、食品由来の油汚れに効果を発揮します。つけ置きやベンジンを使ったたたき洗いなどの手間を省きながら、作業着を簡単に清潔にできる便利なアイテムです。

専用洗剤の種類

専用洗剤にはさまざまなタイプがあり、汚れの程度などに合わせて選べます。

  • 部分洗い用:汚れがひどい部分に直接塗布するタイプで、ピンポイントで汚れを落とします。
  • スプレータイプ:スプレーを吹きかけるだけで手軽に使用でき、広範囲の汚れにも対応しています。
  • 洗濯機投入タイプ:洗濯機に投入するだけでほかの衣類と一緒に洗えるため、簡単に使えます。

そのほかの効果

専用洗剤には、油汚れを落とすだけでなく、付加的な効果を持つものもあります。例えば、消臭効果のある洗剤は油汚れ特有の臭いを抑えます。また、殺菌効果のあるタイプは臭いの原因菌や水虫菌も除去できるため、衛生面でも優れています。

作業着を洗う際のポイント

作業着を洗う際には、汚れをしっかり落としつつ、生地を傷めないように工夫することが重要です。以下に、洗濯前の準備から乾燥までのポイントをまとめました。

洗濯前の準備

まず、作業着の洗濯表示を確認し、使用可能な液温(30~95℃)を把握しましょう。もしも素材が高温に耐えられる場合でも、表示以上の温度で洗うと生地を傷める可能性があるため注意が必要です。また、汚れた状態で柔軟剤を使うと繊維に被膜が形成され、汚れが落ちにくくなるため、柔軟剤の使用は避けましょう。手洗いを行う場合は、作業着専用洗剤が強アルカリ性であることが多いため、ゴム手袋を着用し、皮膚へのダメージを防ぐことも大切です

洗濯中の注意点

油汚れがひどい場合は、洗濯機に入れる前に下処理を行い、汚れを軽減しておきます。これにより、洗濯機内での汚れ移りを防ぎ、洗浄効果を高められます。洗濯後は、洗濯槽に付着した油汚れやフィルターの目詰まりを防ぐために、酸素系漂白剤を使って洗濯槽を清掃しましょう。

乾燥時の工夫

脱水は長めに設定し、水分をしっかり飛ばしましょう。1度目の脱水後にシワを伸ばしてから再度脱水を行うと、仕上がりが整いシワが寄りにくくなります。部屋干しをする場合は、扇風機やサーキュレーターを使い、風を循環させて効率的に乾かしましょう。エアコンの除湿機能を併用することで、さらに乾燥時間を短縮できます。

干し方の工夫

干し方にも工夫を凝らすことで、乾燥効率が上がり、仕上がりがよくなります。上着は裾を上にして「バンザイ干し」に、ボトムスは角ハンガーで筒状に干すなど、生地が重ならないようにするのがポイントです。ほかの衣類との間隔を空け、風通しをよくすることで、乾燥ムラを防ぎつつ臭いの発生も抑えられます。

まとめ

ワークランドでは、汚れに強い生地を用いた作業着の数々をご用意しています。今回ご紹介した油汚れの落とし方を実践しつつ、丁寧にお手入れしていただければ、末長くお仕事の相棒として活躍してくれます。作業着をお探しの際は、ぜひワークランドへ。

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